阪奈機器共用ネットワークとは

 大阪と奈良を網羅する好適な位置関係にある大阪大学・大阪市立大学・奈良工業高等専門学校の3つが、機器共用に関する連携を通して「互いの強みを活かしあい、互いに研究支援の強化・人材の育成・産学官連携を進め、地域における知の創造を共に育くんでいく」ことを目的に設立しました。地域連携を深めるフレームワークを、機器共用を通して構築する試みです。

 文部科学省「先端研究基盤共用促進事業(研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラム:SHARE)」に採択され、2019年8月から事業を開始しました。(事業期間は2021年3月末まで)

 日々の学術研究に利用される先端研究機器、それを操る研究支援人材、高度な分析技術や分析経験といった研究リソースを、学校や機関の枠を超えて、相互に活かし合うことで、研究の効率化や高度化を図ることを目指します。さらに、大学や高専にしかない知・経験を地域にも還元することを通して、地域の研究開発力強化に貢献し、新たな産学連携の枠組みを創ることも意図しています。加えて、地域の公設試験研究機関、民間分析機器メーカーや民間団体との連携も深化させ、知の共創ネットワークを地域に広げていきたいと考えております。

 特に、単なる機器の相互利用や、研究基盤や研究支援の相互強化を図るだけでなく、スケールメリットを活かした研究・教育を支える人材の共同育成、産学官連携交流促進、相互補完といった好循環を生みだしたいと考えています。このような好循環を活かして、機関の枠を超えた知の協奏と共創を育み、地域全体のコベネフィット(相乗共益)を増やしていきたいと考えています。

 将来的には、関西における「アカデミック分析ソリューションの基幹」「機器利用による日常的な産学官連携の基幹」と認知されるまでに、成長できればと希望しています。

阪奈機器共用ネットワーク地図

これらの理念と将来目標を実現するため、阪奈機器共用ネットワーク事業において、下に示す事業項目を実施するよう進めています。

阪奈機器共用ネットワーク事業における連携事業

01|阪奈機器共用コンソーシアムの設立
 本ネットワーク運営の基礎となる、「阪奈機器共用コンソーシアム」を設立します(大阪大学・大阪市立大学・奈良高専で発足予定) 将来的には、地域の大学・民間企業へも拡大していきたいと考えています。

02|統一Webサイト・統一窓口設置、共同対応による最適振り分けの共同実施
 参画機関が提供する分析機器・分析サービスなどを1カ所にまとめたWebサイトを構築します。またその統一Webサイトを一元化窓口として、利用申込や技術相談を受け付けます。それらに対して、参画機関の目利きが共同で、最適な分析装置や分析手法の選択・紹介を行っていきます。

03|光・物質先端測定サービス・名誉教授による高度解析サービスの新規提供
 大学・高専にしかない高度な知識・技術に手軽にアクセスできる手立てとして、研究室で日常的に行っている先端測定(特に光・物質分析に関して)を集めてパッケージ化して提供。日常的な産学官連携の手立てや、研究室と産業界とを繋げる窓として活用

04|スケールメリットを活かした共同人材育成・教育研究支援
 単独機関では開催が難しい専門家向け機器講習会などを共同で開催したり相互開放。eラーニング教材の開発を分担し相互融通・相互利用

05| 強みある機器の更なる汎用化・高機能化
 各機関が持つ強みある機器を、更に利用し易くし、より高度な分析が実施できるように

06| IT技術活用によるリモート測定の活用実証実験:高度分析の実現・効率化
 更に高度な分析を、遠隔地にある最先端機器を使ってリモート測定することで実現。IT技術を活用することで分析の効率化、フィードバックの迅速化