奈良工業高等専門学校においては、SHARE事業に採択された「阪奈機器共用ネットワーク」を通じて、大阪大学、大阪市立大学と連携・協働した取組を進めています。

利用者が機器を利用するために必要な知識・技術を習得することを、技術職員等の研究支援人材の育成・スキルアップを図ることを、また、交流・情報交換を行うことにより情報・ノウハウの共有と課題解決の促進を図ることを目的に、各機関で開催している講習会・セミナーの一部の相互開放等の相互連携を図る取組として進められています。

こうした取組の一つとして、令和2年8月27日(木)~28日(金)、奈良工業高等専門学校にてXPS講習会を感染症拡大防止の観点からZOOMによって開催いたしました。

1日目は、アルバック・ファイ株式会社 テクニカルサポート専門室長 眞田 則明 様による集中講義を行いました。

【セミナー概要】

固体表面は、物質の内部と異なる化学組成や状態をもっており、他者とのインターフェースとして機能する。電池材料、触媒、半導体など界面が工業材料開発のキーとなる材料や、ナノテクノロジー、薄膜作製などの研究開発でXPSは重要な開発指針を与えるが、そのためには、正しい理解と適切な分析運用が重要である。今回、豊富に応用例を紹介しながら、XPSの原理、試料作製と測定条件、データ解析をいかに適切に行うかについて紹介、議論。

2日目は、中和銃を用いた絶縁体試料の測定やスパッタレートの出し方、プレスパッタなどでの表面クリーニングやその留意点などを中心とした実機講習を行いました。